Das Glasperlenspiel

○ドイツの小説家へルマン・ヘッセの大作「ガラス玉演戯」を考察しています。ヘッセの他の著作についても、「ガラス玉演戯」と絡めて解説します。

ガラス玉演戯

第一章 「召命」 教育州カスターリエンの教育制度

小説『ガラス玉演戯』の物語は教育州カスターリエンという架空の学園都市(州)で展開されます。こちらの章では主人公ヨーゼフ・クネヒトが教育州カスターリエンの英才学校に入学し、教育課程を終えて、研究課程に臨んでいく準備期間が描かれています。 教育州…

序章「ガラス玉演戯」 小説『ガラス玉演戯』の目的

小説『ガラス玉演戯』では、伝記の形式を装って物語が進められます。序章にあたる部分では、その導入として[ガラス玉演戯]の具体的な方法や、発展の歴史、意義や基本理念についてまとめられています。 しかし、この序章部分はヘッセの作品の中でも特に難解な…

敬虔主義と陰陽五行思想 主人公の学生時代の研究②

主人公のヨーゼフ・クネヒトは、研究時代にその成果として「三つの履歴書」を提出しますが、その後は18世紀の敬虔主義を研究し、また、シナ語を研究している老兄を訪ねて易経を学びます。 この敬虔主義研究は特に、ルター派のプロテスタント神学者、ヨーハン・…

三つの履歴書 主人公の学生時代の研究①

小説『ガラス玉演戯』では、主人公ヨーゼフ・クネヒトの遺稿として、「三つの履歴書」というものが収録されています。こちらは主人公がガラス玉演戯名人として大成する前に、学生時代の研究課題として提出された創作です。現在で言うところの研究論文のような…

小説『ガラス玉演戯』の目次とあらすじ

小説『ガラス玉演戯』は主人公であるガラス玉演戯名人、ヨーゼフ・クネヒトの伝記という形で書かれています。本作がどのような章立てで構成されているのか、目次とあらすじを簡単に整理したいと思います。 ガラス玉演戯(下)(新潮文庫) 作者:ヘルマン・ヘ…

「ガラス玉演戯」 とは何か?

小説『ガラス玉演戯』とは何か? 小説『ガラス玉演戯』とはドイツの小説家ヘルマン・ヘッセの著した長編小説です。原題『Das Glasperlenspiel』は、日本では『ガラス玉遊戯』とも訳されています。 [ガラス玉演戯]とは、ヘッセが考案したガラス玉遊びで、ヘッ…